「番組作り以外に、社会に貢献する事業ができないかと模索してきた」

 15日に行われた設立発表の記者会見で、日本テレビの大久保好男社長は語った。拡大するシニア市場を意識した新規事業ではあるが、「自分の人生を記録として残すことで、家族や仲間の記憶や、絆を強めるお手伝いができれば」という狙いで、単なるサイドビジネスとは一線を画すという。
これが、今日の読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/tnews/20120621-OYT8T00931.htm にも書いてもらったLIFE VIDEOと言う事業の目指すものです。
一年前にあるきっかけで「人の人生をビデオにする」と言う事を思いついた。そして作らせてくれる人を捜した。それもちゃんと制作費を出して作って欲しいという人を。友人が探しまわって、愛媛県の山岡民枝さんという女性が「作って欲しい」と言っていると話を持って来てくれた。そのビデオがこれ。http://www.youtube.com/watch?v=Zdm1vlTu5vc 
企画、取材、構成、インタビュー、撮影、演出、全て一人でやった。全く知らない人の人生を映像にできるのか正直不安だった。
見てもらえればわかりますが、自分には確実な手応えがあった。「全ての人の人生は平凡なんてものはない」視点をしっかりと定めれば、そう切り取れる自信がついた。
そのビデオを持って社内を口説いた。最初は半信半疑だった人も、このビデオを見て「これは作るに値する事業だ」と思ってくれて協力に動いてくれるようになった。

この後も色々あったが。その経緯はまた書くことがあるだろうからここでは割愛する。
しかしこのビデオを作れる手応えだけで走っていた僕の中では、まだ漠然と「シニア向けビジネス」だと思っていた。
そして、この計画をある人に相談に行った時に「シニアシニアって言うけど、もうその世代が昔みたいに"引退です"なんて言っている時代じゃないんだよ。だから人生のまとめ、なんてダメだ!」と言われた。頭をガンと殴られた気がした。
振り返るではなく、プラスの力を生み出すもの...

そして自分の父親のLIFE VIDEOを作ってみようと思った。最初は写真構成で作る事になるだろうアプルのサンプルを作るつもりだったから、静岡の実家に帰ってアルバムを探して、それを写真に撮った。
フラッシュでテカってしまうことがわかった。
改めてスキャナーを持って次の週にもう一度実家に帰った。
そしてアプリバージョンでも説明スーパーを入れる事が可能だから、「この写真はなに?」と父親に色々聞いた。
その説明を聞いているうちに、息子の自分が父親の事をいかに知らないかを痛感した。
そしてそれを聞いてみようと思った。
次の週、また静岡の実家に行った。ビデオカメラを持って...
こうして「子→親」という線をはっきりと意識する。

こうして本当にこの一年の間に色んな事を経験し、行き詰まり、考えて、アドバイスをされ、ここに至った。
それが「世代の記憶を親子と言う関係を軸に、伝えて行く事が今大切ではないか?」ということ。

最後に...
この「思い」を継続するためにビジネスモデルを構築する事が必要だと思っている。
とかく世の中では先に「ビジネスモデル」が問われる事が多い。
でもそうではない。
今はっきりと言おう。
LIFE VIDEOは新しいビジネスモデルの構築を目指す。それはこの「思い」を継続し、形にするために。