SNSとは一体なんだろうか?それは「人と人を結びつける」のであるが、それぞれの違いを縦軸(時間)横軸(要素)で見る事によって、その正体がわかってくる。
日本においてSNSの最初は「知らない人と結びつける」であったように思う。簡単にジャンル化してしまえば「出会い系」である。こういうと「アラ!」と眉をひそめる人もいるだろうが、リアルの世界では知り合わない人と「ネットの世界で知り合う」というのは、ネットで別人格で動き回る、という事でもあり、パソコン通信の会議室システムから2チャンネル、そして現在のtwitterまで。匿名=リアル世界と別人格で、「知らない人と知り合う」というSNSの流れが日本にあった。
匿名だから別人格にもなれたし、同じ趣味の人を見つけてネット上で議論したり情報交換をしたりするのが、それまでにない「人と人の結びつけ」を生んだ。だから急速に広がったし、新鮮、インパクトがあった。
もちろんこの「人と人の新たに生まれた関係」がリアル世界と関係を持つ発展形も生まれ、社会問題になることもあった。
また日本で大きな発展をした「リアルで知っている人も知らない人も混在してネット上で交流する」というmixiのような形もある。
さてここでFacebookが出て来た。映画「ソーシャルネットワーク」を見ると、これもスタートはまさに「出会い系」の動機を持っているようにも思えるが「実名主義」を貫くことにした事によって、「ネット上の別人格」ではなく「リアルの世界と同一人格」になった。これが、それまでのSNSと革命的な違いをあらわす事になった。(スタート時にどこまで自覚的だったかはわからないが)

このFacebookで明らかになったことがある。それは「知っていると思っていた人のことは意外と知らなかった」ということである。
日本に浸透しはじめた頃、twitterやFacebookで言われた事だが「"人がどこで何を食った"なんて面白い訳ないだろ?」。
しかし我々はじきに「知っている人の"どこで何食った"は意外と面白い」ことを知るようになるのである。

つまり今のところのSNSの進化は「人と人を結びつける」の範疇で「知らない人と結びつける」→「知っている人をもっと結びつける」に変わって来たと言える。
さてここで更に注目したいのは「結びつけるのは何を使って」と言う事だ。
ここに注目するとやはり巨人Facebookは「日常の現在全て」を使おうとしていることがわかる。「どこにいる(チェックイン)」「何を見ている(写真)」「何を面白いと思った(リンク)」。
しかしこれだけではなく「結びつける何か」を色んなものに特化したものが生まれている。
求職のLinkedin,写真のPinterest,「持っているもの」「趣味」などのSNSも生まれている。

この「何を使って?」というのは『使われていないリソースを使って』とも言うことができる。
Facebookはまさに「日常の記録」という"使われていないリソース"だったことが急速に世界中で発展した理由だと言うことができる。
(使われていない"日常の記録"は世界中にあったのだから)

そして(いよいよ結論だが)
このLIFE VIDEOが発掘しようとしているのは「過去の記録」という"使われていないリソース"である。
『あなたの人生をビデオにする』のがこの会社のコンセプトなのだが、それはパッケージだけではなくて、SNS的にもそうである、というのがLIFE VIDEOの目指すところです。
「知っている人、興味を持っている人のそれぞれの過去は興味深い」というコロンブスの卵にまもなくみんなが気が付くようになります。
これがLIFE VIDEOが発掘しようとしているものなのです。